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十一年目の出会い

young_2.jpg街で出会った"十一年目の出会い"。いくつもの恋に、誰も好きにならないと一度は誓ったのに、十一年前のあなたに出会ったリ・ラブストーリー。

エンディングテーマ"十一年目の出会い"
作詞/作曲・岡本秀士
唄・光乃夕美

Maked by Mugen      >>> ラジオドラマとして聞く

 

     《キャスト紹介》


立花 美紀(29才)・・・
学生時代より気が弱く、自分の気持ちを人に
伝えることが出来ないでいた。そのため辛い
恋が多くなんとか自分を変えたいと思っている。

合田 勇介(29才)・・・
美紀とは高校の同級生。11年ぶりに美紀と
再会した。当時からハンサムで周囲の人気者。
彼もまた過去の苦い経験を引きずっている。

 


美紀 :(N)あなたは愛を伝える勇気、ありますか?


      S・E 街の雑踏が次第に高まってくる。


勇介 :ちょっと、キミッ!
美紀 :(驚いた様に)は、はい?!
勇介 :キミ、もしかして立花?・・・立花美紀さんじゃないですか?
美紀 :(怪訝そうに)そ、そうですけど・・・
勇介 :やっぱりそうだ。俺だよ、合田勇介だよ。
美紀 :えッ!


      BGM 徐々にIN


美紀 :(N)驚いた。街で突然声を掛けられたのは
    高校の時の同級生だった合田勇介くんだった・・・


勇介 :だいぶ雰囲気が変ってるので最初わからなかった。
    けど目元の雰囲気でひょっとしてって思ったんだ。
美紀 :(ちょっと興奮して)私も最初誰に呼ばれたのか
    わからなかったよ。名前呼ばれてないと、
    きっと走って逃げてたかもしれない。
勇介 :俺も変ったかい?
美紀 :(嬉しげに)うん、とっても変ったよ。
    バリバリのビジネスマンって感じ、でも・・・
勇介 :でも、なんだい?
美紀 :当時からのカッコよさはそのままよ!
勇介 :また・・・
美紀 :え?
勇介 :会えるかな?
美紀 :もちろんよ!


      S・E BGM IN


美紀 :(N)合田勇介くん・・・
    高校時代、一番カッコよかった男の子。
    男子バスケット部の練習にはたくさんの女の子が集まってた。
    もちろん彼のことを見るために。
    もちろん私も憧れてた。好きだった。
    けど、そんなこと絶対言えなかった・・・


      S・E 港の霧笛の音


美紀 :まるで夢みたいね。
勇介 :なにが?
美紀 :こうして合田くんと会えたこと。
勇介 :何年ぶりだろう?
美紀 :11年ぶりよ。
勇介 :11年か・・・
美紀 :不思議ね。
勇介 :うん・・・
美紀 :学校の頃、二人で話なんかしたことなかったのに。
勇介 :そうだったかな?
美紀 :ようよ。合田くんは人気者で、いつもいっぱいの
    男の子や女の子に囲まれてたから。
勇介 :そうかな?
美紀 :だから、いつも一番後ろから見てたの。
勇介 :知ってる。
美紀 :え?
勇介 :とても目元の涼しげな子だなって。
美紀 :ホントなのッ!
勇介 :だからこの間街で会った時も、目元でわかったんだから。
美紀 :全然知らなかったよ・・・


美紀 :(N)知らなかった。
    合田くんが私のことを気付いてくれてたなんて・・・
    全然知らなかった・・・


     S・E  電話の呼び出し音
     S・E  受話器を取る音


美紀 :はい、立花です。
勇介 :合田です。
美紀 :合田くん!?
勇介 :立花かい?
美紀 :(嬉しい)うん、でもどうしたの?
勇介 :前に電話番号教えて貰ったから・・・
    掛けよう掛けようって思ってたんだけど・・・
    俺、電話苦手だから・・・
美紀 :ありがとう。すっごく嬉しいわ!
勇介 :なら、よかった・・・ナニしてなの?
美紀 :え、今?・・・恥ずかしいよ。
勇介 :(慌てて)え!ごめんごめん、じゃ切るよ。
美紀 :(笑って)違うのよォ。写真見てたんだよ。
    昔の高校のアルバムに一枚だけ挟んである古ぼけた写真。
勇介 :そうなんだ。
美紀 :体育館で写ってるバスケット部の男の子の写真。
    ゼッケン10番!
勇介 :10番って俺じゃないか。そんな写真なぜ持ってるの?
美紀 :たぶんバスケのマネージャーだったユッコに
    貰ったんだと思うよ。
勇介 :そうか・・・


美紀 :(N)体育館の2階から毎日のように見てたよ。
    ひときわ機敏に動き回るあなたをずっと追ってたあの頃・・・


勇介 :今度の日曜、会えないかな?
美紀 :いいよ。私も話したいことあったんだ。
勇介 :実は俺も話したいことがあるんだ。
美紀 :じゃ、楽しみにしてるね。


    S・E 学校のグランドから聞こえる部活動の声


勇介 :あそこが俺たちがいた教室だ。
美紀 :そうね、懐かしい・・・
勇介 :俺たちの後輩くん達だ。
美紀 :みんながんばってるね。
勇介 :うん・・・11年前の俺たちがいる。


    S・E 学校のグランドから聞こえる部活動の声


勇介 :話ってなに?
美紀 :合田くんも話があるって・・・
勇介 :う、うん・・・
    でも言いにくい事だから立花から先に言ってくれよ。
美紀 :私だって言い難いことなのよ・・・でも、言うわ。
    これからもそうする事に決めたから。
勇介 :決めた?
美紀 :私って、自分の気持ちを相手にちゃんと
    伝えたことってなかったの。
    だから、いつも後悔ばかりしてた、この10年間・・・
    勇気がなかったのよ。
    自分の気持ちを言って、もしその人に嫌われたら
    どうしょうって、いつも悪い方ばかりに考えてた。
    でもその結果、いつも後悔ばかり。この間、合田くんと
    再会して思ったの、神様がくれた最後のチャンス
    なんじゃないかなって。
勇介 :最後のチャンス?
美紀 :このチャンスを見逃せば、神様からも見放されちゃう
    かもしれないって。
    だから、11年前から言えなかったことを
    絶対今日言おうと思って。
勇介 :11年前から?
美紀 :11年前のあの時・・・私・・・
    合田くんのことが、好きだった・・・
    大好きだったの・・・でも、言えなかった・・・ずっと・・・
美紀 :立花・・・
美紀 :でね・・・再会した合田くんのことも、やっぱり好き。


         短い間


勇介 :俺・・・結婚してたんだ。
美紀 :え?!
勇介 :大学卒業して就職で東京へ行って、大学の時から
    付き合ってた子と東京ですぐに結婚したんだ。
美紀 :(驚く)そうなの!
勇介 :う、うん・・・。
美紀 :そ、そうよね。私が独身だから、
    てっきり合田くんも独り者だって勝手に思い込んでいた・・・
    バカね(声がつまる)
勇介 :黙っててごめん。
美紀 :謝らないで。私の勝手な思い込みだし、それに私・・・
    私、生まれてはじめて人に好きですって、ちゃんと言えた。
勇介 :立花・・・
美紀 :やっぱり合田くんと再会出来てよかったよ。
    私に・・・私に勇気をくれて、ありがとう!
勇介 :もっと早くに云えばよかった・・・
    でも云い辛くて、俺も男なのに勇気がなかったんだ、
    ・・・バツイチだって言い出すことが。
美紀 :え?今、なんて云ったの?
勇介 :一度結婚してたこと黙っててごめん。
    今日それを云おうと思って・・・
美紀 :してたって・・・じゃ、今はひとりなの?
勇介 :うん、彼女もいない。だから立花に・・・
美紀 :バカァーーーーーーーーッ!
勇介 :痛ェ!
美紀 :もっと早くに云ってよ、離婚したならしたって(半泣き)!
勇介 :そんなに怒らなくても・・・
美紀 :怒ってるんじゃないよ・・・嬉しいのよ!
勇介 :俺、立花のことをこれからも大事にしたいなって・・・
    それを今日伝えたくて・・・


    セリフ次第にF・O 途中ナレーションカットイン
    ナレーションインと同時にテーマ曲F・I


美紀 :(嬉し泣き)
勇介 :お、おい泣くなよ立花。グランドからみんな見てるよ。
    なんか俺、悪い男にでも見られるじゃないかよ。
美紀 :(嬉し泣き)
勇介 :な、立花ったら・・・とりあえず、どっかに行かない?
美紀 :(さらに大きく泣く)

 

美紀 :(N)彼に自分の気持ち伝える事が出来た。
    それが嬉しくってその日は涙が止まらなかった。
    10年間の心の重みが一気にとれたのが嬉しかった。
    わたしが抑え込んでいた気持ちが、
    やっと解放された涙だと思う。
    10年分の涙が出たら、彼にもう一度言おう。
    勇気をくれて、ありがとうって・・・


      テーマ曲次第にせり上がる

 


テーマ曲「十一年目の出会い」 
作詞作曲・岡本秀士
唄・光乃夕美


いくつもの恋をして 涙流したこともあった
ひとりでいることに慣れっこになって この街を歩いてる
誰も好きにならないと 心に決めていたのに
こんな場所であなたに出会って 心が揺らぎ始めた

記憶の扉を開けて また愛を追いかける
寂しがり屋の私に 気づいてるのあなたは
もう一度 あの時の 私のように
勇気をください 愛することの

いくつもの夢を見て 力いっぱい生きたあのころ
アルバムで見つけた一枚の写真 あなたが笑っていた
十一年目の出会い お互い大人になって
どんなことでも分かち合えるね わがままな私だけど

記憶の扉を開けて また愛を追いかける
寂しがり屋の私に 気づいてるのあなたは
もう一度 あの時の 私のように
勇気をください 愛することの
勇気をください 愛することの

 

おわり

 

十一年目の出会い
Story by ushi

 

 

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