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初恋について
先日僕の初恋の人から電話が掛かってきた。17才で会ったのが最後だから実に23年ぶりのことだ。嬉しいことはある日突然やってくる。
彼女とは小学校の時から一緒だった。実は小学校から一緒だったということは先日再会したときに教えてもらった。すでにこの頃の記憶は僕の中にはなくなっていた。
僕は付き合っていた女性とは別れてからもよく会う。別れた人とは二度と会いたくはない、という人もいるが僕は時々会いたく思う方だ。自分からは率先してコンタクトはとらない。向こうもいろいろと事情があるだろうから。
今付き合っている子も、以前僕が付き合っていたある女性に会いたいと言い出したことがあった。これはおもしろい企画だと思って、早速以前付き合っていた女性に連絡をとると快く承諾してくれた。
実際会って、二人を紹介してあげたら話がはずんでいた。話題はもちろん僕のことにも及んで、何か居たたまれないような瞬間もあったが概ね楽しめた。最後には新旧二人並んで記念撮影までして、この企画は見事成功に終わった。
僕の場合はこんな場面が何度となくあった。
初恋の彼女との橋渡しは、小学生時代のクラスメートがしてくれた。朝突然電話があり「牛王田くんと会いたい人がいるのよ」と電話口で言った。どうせ昔よく叱れた先生だろうと半分寝ぼけていると、電話口に出たのは透明感のある女性の声だった。それはどこかに聞き覚えがあった。
半分興奮気味の彼女の電話から5日後に僕達は再会した。23年振りに。
初恋の人との恋は通常実らないという相場もあるが、僕の場合は大いに実ったものだった。
まず彼女とは23年振りに会うのだが、昔とそう変わらなかったのには驚いた。まず声と喋り方が全然変わっていない。目に魅力があり大きいところもそのままだ。
23年という会っていない歳月の長さをお互い話し合うのはとても時間が足らなかった。空白を埋めたいという気持ちよりも、昔の懐かしさが込み上げてくる方が大きかった。
昔の思い出話しをしていると、すでに忘れ去られた記憶が蘇ってくることにも驚いた。人間忘れたと思っているものでも、記憶の何処かにはインプットされている。そして何かの弾みで検索をかけると、ちゃんと出てくるものだ。
そしてその記憶が蘇ってくると、記憶と共にその頃感じた感情も付随して蘇ってくるものでもある。不思議だけど。
初恋の感情とは、心臓を締めつけられるようなキュウッとする思いである。もちろん僕もこの感情を味わってきた。ウソではない。初恋というのは、字の如く「はじめての恋」ということだ。この「はじめて」というところがなかなか意味深い。
はじめてということは、その事柄を全神経と感受性を張り詰めて経験する。経験がないということは、それだけ純粋なのだ。純粋に人を好きになるのがこの「初恋」だと思う。
中にはこの初恋を飛ばして、いきなり遊び慣れた人のように生まれてはじめての異性と仲良くなれる人もいるようだ。でもそれはあまりにももったいないような気もする。
さいわい僕は順序を間違えずに初恋からはじめられた。だから心臓を締めつけられるようなキュウッとする思いも経験したのだ。
今の若い人達も、ちゃんとこの手順のような初恋をしているのだろうか?初恋と言わず、本当に胸がキュウッとなるほど人を好きになった経験があるのかな?
安易なデジタル媒体やセックス情報と、手軽に入る風俗サービスでこの手順をきちんと通過していない人が増えてきたんじゃないかとも思う。
文明の世の中になるにつれて、生活水準を考慮した相手選びに胸がキュウッとなる思いなど要らなくなったのかなあ。
そうだとしたら人間好きな僕としては悲しいことですなあ。
初恋の人と再会して、幻滅したという人もいる。
だけど僕の場合は、当時の懐かしさと僕が好きだった人の変わらぬ魅力を再発見出来た。
神様は時折このように、嬉しいことをくれたりする。
だから人生は楽しい。
みなさんも胸がキュウッとなった経験、したことありますか?
では、また。
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