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追いかける恋、そして・・・
今回のこのコラムはある女性との約束で書いています。
その女性(Yちゃん)は、僕へ恋愛の相談事をメールでくれました。そして、僕がこのコラムで返事をします、という約束をしました。
本来でしたら、彼女の相談事を僕なりの意見を交えてここに書くということになるのですが、その間に思わぬ(僕が意図したことなのですが)事が彼女に起こり最初僕にメールで相談をした時とは、いささか彼女の心境の中に変化が起こっているんじゃないかなと思います。
そのいきさつを少し書きましょう。
彼女からの恋愛に関する相談内容は、現在付き合っている男性とうまくコミニケーションがとれず、会っている時も自分の思っていることや気持ちが相手に上手に伝えることが出来ない。そんな状態が長く続いているので、とても辛く苦しんでいます、という内容でした。
周囲からは反対されています、という彼女の言葉を聞けば、彼女の方が一方的に彼に熱を入れており、当の彼氏はちょっと遊び人風情で彼女とは適当に付き合ってるんじゃないかな、みたい感じもあったりします。
しかしはそれ、惚れている者にとってはこの状態というのは最もやっかいなものですわ。いわば追いかけている状態というのは、恋にしても一番熱するときでもありますからな。
「どうしたもんじゃろかいなあ」としばし考えている時に、偶然というかタイミングが合ったというか、彼女から相談があった数日後に僕のお店をPRするインターネットラジオ番組の収録がありました。
その番組はお店をPRするという内容ですが、僕のお店に集まるお客さんの層が若い独身男女が多いので「恋愛」というテーマも番組内容に盛り込んでいます。「恋愛道場」という、毎回メンバーからの相談事をコメンテイターが回答するというコーナーもあります。
僕はYちゃんに、そのコーナーに出演してみることをすすめました。でもすすめながら半分は、無理だろうなという思いでした。そりゃそうでしよう。恋愛などというのはとてもプライベートなことであり、悩みというのもとても個人的なことです。それを若き女性が自分の胸の内を公に晒すことなんて、ちょっと無理かな、と思いました。でも番組プロデューサーという別の僕の立場からみれば、不可能と考えられることを実現するのが番組的にはおもしろいのです。
さあ、どうなるかな。みたいなところで、さらにYちゃんに番組に出て相談を受けることをすすめました。(鬼やな俺)
するとYちゃんは予想外に出演を了承してくれました。そしてさらに驚いたことに、出演しても名前は伏せるもんだと思っていたら名前も公表してもいいと本番前に彼女は言いました。ほぉ、やるなあ、みたないもんですわ。
とりあえず、収録がはじまり彼女が出演するコーナーも無事撮り終えました。時間にして彼女の相談コーナーは15分。まあ男女のコメンテーターから彼女はいろいろとアドバイスを貰っていました。
収録後もフロアにいたお客さん(公開収録だった)からも次々と、色々なアドバイスを受けたりしていました。Yちゃんは大人しくお嬢さん風な感じです。スリムでスタイルも良くかわいい。そんな彼女がひょっとして遊ばれてるんじゃないかと周囲の人は思ったのかもしれませんね。かなり彼女に熱く語っていた者もいたよ。
僕はその時は、彼女に直接は何も言いませんでした。
番組出演後、僕は彼女に出演してくれたお礼のメールを書きました。彼女からしばらくしたら返信が届きました。その彼女のメール内容はいささか予想外でした。
彼女のメールには「恋愛で悩む必要なんか、ないんじゃないかと思えてきました」と書かれていました。僕はその理由を聞きました。それに対して彼女は「まだうまく説明出来ないけど、恋愛は本来楽しいものだと思えてきました。それは結局自分次第ですね」と書かれていました。
僕はこの彼女の気持ちの変わりように、公の場で自分の悩みをバーンと言ったことが結果的によかったなと思いました。
収録現場でずっと彼女についていた訳じゃないので、誰にどんなことを言われたのかは僕はわかりません。その時に多く聞いた言葉の中で、彼女のハートに何が響いたのかはわかりません。
でも、そういう多くの人と会い、多くの情報を得た中で、彼女は何かを得たのではないかな、と思いました。
例えるなら、小さな水槽の中で泳いでいた魚を、ザバーッと大海に放したときに「スゲーッ、こんなに広いところがあったのかよ!」と魚が驚くかどうかはわかりませんが、そういう感じではなかったのかな。
人間は、問題が起こるとその問題を考え続けますが、ただただ考え続けるだけでは良い答えを見つけられるというものではありません。一つのことだけについて考え詰めれば、身も心も疲れ果ててしまいます。
悩みというのは、閉じ込めずにオープンにすると解決しやすいという性質があります。閉じ込めれば余計硬く強固になり、放してやると消えてなくなりやすいのです。
悩みを誰かに話すだけでも、なんだか気が楽になったという経験を誰しもお持ちのことでしょう。それですね。
小さな子供が道端でこけて泣いている時に、必要なのは抱き起こしてあげることではないのですね。一番大事なのは起き上がることを教えてあげることだと僕は思います。
悩みの最中にタイミング良く、ラジオ出演ということに相成ってしまったYちゃんだけど、そのもみくちゃの中で問題解決の糸口というか、悩んだときの解決方法というのを得たんじゃないかな。
彼女から受けたメールの内容で、僕はそんな気がしています。
悩みや問題は生きていれば、誰にでもやってきます。前向きに生きている人ほど多くやってくることでしょう。目的地を持ち、車で走っていれば必ずどこかで赤信号に出会うのと同様。大切なのは悩みや問題を、どうやれば解決し易いかという方法を知ってることだと思います。
Yちゃんも今回多くの人の出会いにより、その解決方法を見つけたんじゃないかな。人の本当の学びは、やっぱり生きた人から貰えるもんだと思います。良い人に多く出会う。それがもっとも早い近道なんじゃないかな。
赤信号に出会うのは、それは必ず目的地に近づいている証拠です。変わらない信号機はありません。
僕からのYちゃんへのアドバイス&フォローは、番組に急遽出演させたという気転の利いたな僕の演出だったということにして頂戴。けっして手を抜いてるわけじゃないよ(笑い)。
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