羊たちの沈黙

一級と言われる映画には複数のテーマが盛り込まれている。本筋のテーマとは別に、見る角度を変えて読み取れるサブテーマ。

ルネ・クレマン監督の「太陽がいっぱい」というサスペンス映画はあまりにも有名だけど、そのサブテーマは「男の同性愛」というものが隠されているのをご存 知だろうか。また「羊たちの沈黙」もあまりにも有名なサスペンス映画。これにも歪(いびつ)ではあるが純粋な恋がテーマにもなっている。


「羊たちの沈黙」の本編をよくよく見ていると、レクター博士とクラリスがわずか一瞬だけ触れ合うシーンがある。僕はこれをこの上なくセクシーなシーンと感じた。

人生においてもわずか一瞬だけの恋というものがある。

お互いの環境や境遇で、どうみても違う道を歩まなければならない者同士。そういう男女がすれ違いざまに、お互いを一瞬で見極めて、傍目には気が付かれないほどの仕草で交わす愛情表現。

形容すれば、真剣で合間見る居合い抜き。

不慣れな若者などではけっして感じえない、対処も出来ない瞬間的な想い。

人の数だけ恋の形もある。

そういう恋もあっていいだろう。

   





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